検査・治療前に内視鏡室で働く看護師が確認すること

内視鏡室で働く看護師にとって、内視鏡検査、治療前の看護は重要な仕事です。看護師は、検査、治療の前に患者への説明を行います。処置後の偶発症を予防するため、処置の説明と確認作業を行い、患者を理解することが求められます。確認しておきたいのは患者の既往歴です。たとえば、鎮痙薬ブスコパンには抗コリン作用があるため、不整脈や心筋梗塞など心臓の病気、緑内障、前立腺肥大症の方にとっては禁忌です。また、糖尿病の既往歴も確認が必要です。ブスコパンが使用できない際には、グルカゴンを使用するのですが、糖尿病患者がグルカゴンを使用すると高血糖になる可能性があります。看護師はCOPD、肺気腫の有無も確認します。内視鏡検査では消化管を膨らませるため、炭酸ガス(CO2)を使用することがあります。COPDや肺気腫の患者は炭酸ガスが貯留する可能性があるため、空気に切り替える必要があります。さらに、心臓ペースメーカー挿入の有無も確認します。内視鏡検査中に高周波電流を使用することがあり、ペースメーカーの作動に影響を与えることがあるからです。常備薬も確認する必要があります。抗血栓薬および糖尿病薬の服用の有無を確認します。その他の内服薬は医師の指示により服用します。薬剤アレルギーの確認も行います。咽頭麻酔に使用するキシロカイン、消化管にヨード色素散布するヨード、注射の際に使用するアルコールなどにアレルギーがないか確かめます。このように、内視鏡室で働く看護師が検査、治療前に確認しなければならないことはたくさんあります。患者が安全に検査、治療を受けるためには看護師による確認が不可欠です。